アメリカ株は手数料が高い! 投資資金が10万円では足りない理由【積立ての人は要注意】

2018-08-17

 

こんにちは! アキオ(@hiroakio97)です。

バフェット太郎さんの本を読んで米国高配当株派への転向を進めています。

参考記事:【バフェット太郎氏に学ぶ米国株高配当投資】わたしは”クソダサい投資家”なのか?

 

 

わたしもバフェット太郎さんに倣い、定期・定額の積立投資を始めようと準備を進めています。

ここで気になるのが、積立額積立頻度のこと。

複利の効果を最大化するすことだけ考えれば、投資の原則は『1日でも早く、1円でも多く』。
これはアメリカ株でも変わりません。

ただし、ひとつ日本株と大きく違うのは、割高な手数料

買い増し頻度が高いほど分散の効果も高まりますが、あんまり小口に注文したんでは、手数料ばかりかかって利益が出ません。

 

ということで、「米国株投資はいくらから始めればいいか? いくらずつ積み立てればいいのか?」についてです。

前回は証券会社を決めましたが、今回は積立投資額積立頻度について検討します!

参考記事:【比較】SBI証券、楽天証券、マネックス証券、、アメリカ株投資に最適なのはどこ?

 

(2019年7月 追記)

2019年7月22日より、アメリカ株の手数料下限が撤廃されました!

この手数料改定により、アメリカ株は名実ともに少額から投資可能となりました!!

よって、改定以前に書かれたこの記事の一部内容は既に古くなっています。

本記事は「そんな時代もあったね」とあくまで参考に止めるようご注意を。

値下げ後の新しい手数料については以下の記事をご覧ください。

参考記事:ネット証券大手3社がアメリカ株最低手数料を0円に!少額からでも投資可能になりました

(追記終わり)

 

 

『少額からでも投資可能なアメリカ株』の嘘

手数料 〜米国株編〜

 

持続的な成長手厚い株主還元などと並び、アメリカ市場へ投資するメリットの一つとしてあげられることが多い、『少額から投資可能』というポイント。

日本株が一般的に100株単位で売買されるのに対し、アメリカ株は1株単位で取引可能なことから来ています。

楽天証券のホームページでも、以下の通りアメリカ株のメリットのひとつとされています。

 

楽天証券ホームページのスクリーンショット
『少額から投資できる』ことがメリットとしてあげられている。楽天証券ホームページより。

 

アメリカ株は少額から投資できる!
これは紛れもない事実です。
が、少なくともわたしにとって、真実ではありません。

その理由は手数料にあります。

 

上の楽天証券の例だと、2017年8月末時点では、同じLINE社の株でも東証386,000円(= 株価3,860円 × 100株)に対し、NYSEではわずか3,880円(= 株価35.27ドル × 1株 × 為替110円/ドル)から投資できます。
(LINEは東京証券取引所とニューヨーク証券取引所(NYSE)、ふたつの市場に上場しています)

確かに、1株単位でトレード可能なアメリカ市場の方が、少ない元手から投資することが可能なのは間違いありません。

ただし、日本でアメリカの株を買うには割高な手数料がかかります。

例の楽天証券SBI証券マネックス証券と並びアメリカ株取引手数料日本最安です。
ではそれが一体いくらかというと、、税込5.4ドル、つまり594円

参考記事:【比較】SBI証券、楽天証券、マネックス証券、、アメリカ株投資に最適なのはどこ?

 

3,880円の株を買うたびに、手数料594円も取られたのでは割にあいません。
594円といえば投資額3,880円の15%
株価が15%上がってやっとトントン。配当にすれば5年分くらいでしょうか?
5周遅れのハンデ戦。絶望的ですね。
15%も胴元に取られたら、パチンコと変わらないレベルです。

 

そんなわけで、「アメリカ株は少額から投資できる!」というのは事実ですが、真実ではありません。

真実はこうです。

アメリカ株は少額から投資できる、でも少額で勝つのはパチンコと同じくらい難しい

 

アメリカ株へは最低でも12万円から

手数料の高いアメリカ株は少額投資に適していないこと、わかっていただけましたか?

「じゃあ、いくらあればアメリカ株に投資できるのよ?」と聞かれれば、答えこうです。

「多ければ多いほど良いんだけど、最低でも1,112ドル(約12万円はあった方がいいですよ!」

 

前回の記事に書いた通り、アメリカ株で取引手数料最安は大手ネット証券会社、SBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社です。

手数料は3社横並びで、約定価格の0.486%(税込)、ただし下限 5.4ドル上限 21.6ドルとなっています。
図示するとこんな感じ。

手数料
1,112ドルと4,445ドルが転換点

 

見方を変えて、投資額に占める手数料の割合を絵にすると、、

少ない投資額では手数料の比率が高くなる

 

1,112ドル4,445ドルがターニングポイントなことがわかります。

こうしてみると、1回のトレードで、最低でも1,112ドル(約12万円)以上の資金を投入すべきなことがわかります。

逆に、大口投資のスケールメリットが顕著になってくるのは5,600ドル(約62万円)くらいからでしょう。
5,000ドルくらいだと4,445ドルの場合と有意な違いはなさそうです。

5,600ドル以上だと手数料の投資額に占める割合が0.1%ほど下がって、0.386%となります。
さらに投資額を増やし、8,889ドル(約98万円)になると手数料の占める割合は、最初の半分(0.243%)まで下がり、
さらにさらに、21,600ドル(約238万円)まで増やすと、手数料は日本株の一般的な水準(0.1%)に近づきます

(参考までに、日本株で業界最安のSBI証券の場合、投資額150万〜3,000万の手数料は税込994円です)

 

積立て投資、積立の間隔は3ヶ月以下にすべし

手数料の上限が決まっている以上、1回の投資額は多ければ多いほど手数料を圧縮できます。
上でお話しした通りですね。

一方で、わたしのように積立投資を考えているケースだと、定期的に数百万円単位のまとまったお金を用意するのは難しいでしょう。

 

世帯年収900万円くらい、普通の共働き家庭であるわが家が毎月投資に回すことができる金額は、頑張ってもせいぜい10〜20万円くらいです。
特に今は育休中で、入りが少ない時期となっています。

参考記事:育児休業給付金(育休手当)っていくらもらえる? 〜年収600万円・男性会社員の場合 〜

 

よその家庭のことはよく分かりませんが、どこもだいたいこれくらいなんではないでしょうか?
共働き/片働きの違いや、職業、趣味・嗜好、ライフステージ、などなど、、違いはあるでしょうが、大半は10万円前後で、毎月50〜100万円を用意できる家庭は少数でしょう。

 

ここでひとつ考えたいのが、積立の頻度です。

積立間隔が短く頻度が高いほど分散の効果が高まり、価格変動のリスクが抑えられるわけですが、過剰な分散は手数料の高騰を招きます

現実的には月1回、もしくは半年に1回くらいの頻度になるんではないかと思います。
一般的なサラリーマンは給料が月に1回、ボーナスが半年に1回ですから、積立もそれにあわせた頻度になるのが自然です。

 

月々の収入にある程度余裕があり、毎月 1,112ドル(約12万円)以上の投資資金を捻出できるなら、積立頻度はシンプルに月1回が良いでしょう。

毎月の入金が 1,112ドル(約12万円)に届かない人でも、できることなら3ヶ月に1回は積み立てることをオススメします。

なぜなら、一般的なアメリカの企業は四半期(3ヶ月)に1回配当を出すからです。
少額でも現金のまま銀行口座で眠らせておくくらいなら、早く株に変えて1回でも多く配当をもらったほうがお得という理屈。
現金はなにも生みませんから。

 

そんなわけで、アメリカ株を積立投資する場合は、コストのことを考えると四半期に1回以上の頻度で、1度に1,112ドル(約12万円)以上買い付けるのがオススメです。

「3ヶ月に1回、12万円」ということは、1ヶ月あたり4万円です。
これくらいなら多くの人が無理なく積立られる金額じゃないでしょうか?

「いやいや、月4万円もムリっす!」って人は積立間隔を6ヶ月まで広げてもいいと思います。
もしくは投資信託という道もありますね。
(その前に家計の見直し、もしくは収入アップを目指して就職・転職を検討したほうがいいかも)

購入手数料0円のノーロードファンドなら、アメリカ株のように「xx万円以上だと手数料がぁ〜」と迷う必要はありません。
単価も一口100円からありますから、それこそ毎日でも積立られますね。
(購入時の手数料は0円ですが、運用管理費用(信託報酬)はモノによって毎年0.01〜3%ほどかかります。ご注意を。)

投資信託なら楽天証券がオススメ。
旅行や毎日の買い物でたまった楽天スーパーポイントを投信購入に充てられます。

 



まとめ 投資のつもりでアメリカ株を買うなら最低限、手数料のことを考えよう!

というわけで、アメリカ株の手数料の話でした。

日本株ならどれだけ買ってもせいぜい数百円の手数料ですが、アメリカ株を同じ感覚で買うと痛い目をみます。
特に積立て投資や短期トレードなど、約定回数が多いスタイルの人は要注意です!

 

なお、今回は売買手数料にスポットを当てた記事でしたが、アメリカ株のトレードにはもうひとつ、大きなコスト『為替手数料(スプレッド)』があります。

前の記事にも書きましたが、スプレッドについては同グループ内に銀行やFX口座を持つSBI証券が圧倒的に強いです。
なにせ他社が片道25銭のところを0.5銭、もしくは4銭で両替できてしまうわけですから。

詳細はこちらを確認くださいね。

参考記事:【比較】SBI証券、楽天証券、マネックス証券、、アメリカ株投資に最適なのはどこ?

 

わたしはこれから、月1回1,200ドルずつ積立てていこうと思います!

ではでは。

 

アメリカ株初心者にとって、手数料と同じくらいきになるのが税金のこと。
こちらの記事が参考になるかもしれません。

参考記事:アメリカ株投資にかかる税金【NISAは使う?使わない?】

 

わたしのアメリカ株ポートフォリオに興味がある方はこちらの記事をどうぞ!

参考記事:暴落に負けないポートフォリオの作り方【米国株・長期で持てる16銘柄】