外資系企業とリストラ、もしあなたの会社が突然外資に買収されたら?

こんにちは! 第三子誕生も間近のアキオです。
美容室での何気ない会話のような、ふとした時に「もうすぐ子供が生まれるから育休とるんですよー」とひとに伝える機会が増えてきました。
よくある反応は、「男性の育休ですか、珍しいですねー!?」からの「お勤め先、大企業なんですか?」です。
残念ながら、わたしが働いている会社は特に大企業でも有名企業でもありません。
が、普通のよくある日系企業とも少し違うかもしれません。
いわゆる外資系なんです。
今回は前編・後編の二回に分けて、わたしの8年間の社会人経験をもとに外資系企業で働く魅力についてお伝えします。
外資系と日系、どこが違ってどこが同じなのか、みなさんの身近な会社と比べてみてください!
就職・転職活動中の方々から長年働いてきた会社が外資に買収されちゃったサラリーマンのみなさんまで、外資系の会社に興味をお持ちのみなさんのちょっとした参考にでもなれば嬉しいです。
そもそも「外資系企業」って?
Wikipediaによると
外資系企業(がいしけいきぎょう)とは、外国法人又は外国人が一定程度以上の出資をする日本の企業(通常は株式会社だが合同会社も増えている)をいう。
(中略)
経済産業省(旧通商産業省)は、1967年以降毎年、外資系企業について調査を行っており、その調査結果を、翌年以降毎年『外資系企業の動向』として公刊している。ここで調査対象となるのはおおむね以下の企業である。
- 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している企業
- 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している持株会社が出資する企業であって、外国投資家の直接出資比率及び間接出資比率の合計が3分の1超となる企業
- 上記1、2いずれの場合も、外国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である企業
出典元 : 外資系企業|Wikipedia
とのことです。
要は、海外の法人や個人がたくさん出資していて、その海外の出資者たちが経営の意思決定をしている日本の会社を「外資系企業」と呼ぶってことですね。
参考までに、上記2016年の経産省の調査によると国内の5,859社が外資系企業として調査対象となっています。
代表的な外資系企業 海外企業の日本進出
みなさんは外資系と聞いてどんな会社を思い浮かべますか?
グーグルやアマゾンのようなIT企業でしょうか?
デルやアップル、マイクロソフトなんかもありますね。
それとも、エルメスを筆頭にカルティエ、シャネルのような憧れの高級ブランドですか?
もっと身近なところだと、マクドナルド、スターバックス、コカコーラやナイキなんかも外資系企業ですね。
他にもBMWのような自動車メーカー、ゴールドマン・サックスをはじめとする金融屋さんなどなど、例を挙げ出せばきりがありません。
これらの企業に共通する特徴は、海外で誕生した企業だということ。
海外で成功した企業が日本に進出する際、日本国内で新たに法人を立ち上げるというパターンです。
「日本マクドナルドホールディングス」や「アマゾン ジャパン」など、社名に「日本/ジャパン」が入っている例も多数あります。
多くの人が外資系企業と聞いてパッと頭に浮かぶのはこちらのケースではないでしょうか。

マクドナルドとかトイザらスとか、もうすっかり日本に根付いてる会社もあるね
もう一つの外資系 買収された日系企業
一方、先の代表的な外資系企業たちの影に隠れて存在する、もう一つの外資系グループがあります。
それは海外資本に買収された元日系企業たちです。
1999年にフランスのルノーに買われた日産自動車、同じく2016年に中国の鴻海(ホンハイ)精密工業に買われたシャープ、この二つがこちらのケースの代表格。
他には、ガストやバーミヤンなどのファミレスチェーンで知られるすかいらーく(2011年にアメリカの投資ファンドが買収)、スーパーマーケットの西友(SEIYU)(2005年、アメリカ最大のスーパーメーケットチェーン・ウォールマートが買収)のような例があります。
会社丸ごとでなくても、一部の事業(例えば東芝の半導体事業のような)を海外の同業や投資ファンドへ売却する、といった例も多いです。

バーミヤンが外資系だったなんて! 知らなかった。。
買収された系外資系は複雑
というわけで、一口に「外資系」といっても海外企業が日本へ進出したパターンと海外資本が日系企業を買収したパターンの二つがあること、わかっていただけたと思います。
前者のタイプの会社はおそらくみなさんがイメージした通りの外資系です。
おしゃれなオフィスと社員のプライベートを大切にした柔軟な勤務体系、その反面厳しい成果主義、などなど。
一方、後者の場合はもう少し複雑です。
買収した会社とされた会社、二つの会社の社員や経営陣、文化がミックスされるわけですから。
買われた側は、ある部分は早急に、ある部分は時間をかけて少しずつ、買った側のリードで変わっていきます。

この4、5年で随分社内の雰囲気が変わりました!
買収された系外資系の特徴 リストラと変化
わたしの働く会社は、従業員1,000人ほどの中堅電気機器メーカー。
元は日本のそこそこ伝統のある会社だったのですが、ここ10年ほどは海外の投資会社に買収されたり売却されたりで頻繁に親会社が変わっています。
ちなみにはわたしはソフトウェアエンジニアとして、製品に組み込むプログラムのデザインをしています。
リストラ
いつものように働いていると、
今日はとても重要で、エキサイティングなニュースをお伝えいたします。
本日、XXXXX(新しい親会社)は、YYYY(わたしが働く会社)の買収を発表しました。XXXXXは世界各地で最高のソリューションを販売する云々カンヌン。。。。。。。
とか
悲しいニュースと素晴らしいニュースがあります。
悲しいニュースは、役員のXXXX氏が退任されること。素晴らしいニュースは、替わってYYYY氏を我が社に迎えられることができることです!YYYY氏はこれまでZZZZ社で非常に重要なポストを云々カンヌン。。。。。。。
みたいなメールがなんの前触れもなく唐突に届きます。しかも英語で。
その度に決まって行われるのがリストラ。
およそ2、3年に一度くらいの頻度で、100-200名規模のリストラがあります。
今では社員の方は慣れたもので、「あー、もうそんな時期か」くらいなもんです。
基本的には、不採算部門、買った企業と買われた企業で重複する部門がまず最初にリストラの対象になります。
営業とか人事・総務などはどの会社にもある部門ですから、重複しやすいですね。
その次の対象は、退職希望者。
ただし、有望な若手や高いスキルを持つ人は認められません。
そして最後に、変化についてこれない社員とパフォーマンスの低い社員がリストラの候補となります。
わたし自身は2009年に新卒で今の会社に就職して、以来幸か不幸かリストラ・転職の経験はありません。
なので他の会社のことは正直あまり知らないのですが、別にリストラが悪いことだとはそれほど思っていません。
確かにリストラの時は少しは不安を感じますし、同期や後輩が会社を去る背中を見ると悲しい気持ちにもなります。が、新陳代謝が活発で古い習慣にとらわれない、ある種の風通しの良さはなかなかに清々しくていいものです。

2年ごとにリストラしていれば自然と優秀な人、変化を楽しめる人だけが残ります。
そういう環境は案外居心地の良いものです!
変わっていく組織
ただ、最初から居心地が良かったわけではありません。
わたしが入社したのは、まだ外資に買収されて間もない頃でした。
当時は普通の日本の中堅企業だったのです。
入社して最初の3、4年は悪い意味での日本的なワークスタイルがまだ多く見られました。
例えば、残業をはじめとした滅私奉公的働き方が推奨される雰囲気や開催数も出席者もやたらと多いムダな会議、パワハラ、うつ病、、、などなどです。
組織の末端にいたわたしが見た変化はこんな感じでした。
- 経営陣が外国人に変わる
- 従来の古いやり方に固執する管理職が退職する
- 代わりに外部から優秀な人が採用され、様々な新しい価値観が持ち込まれる
- 海外の関連部門との統合が進み、一気にグローバルな会社っぽくなる
- 変化を嫌う人が退職し、さらに新陳代謝が進む
- 変化と多様性を認める雰囲気ができる
- 組織にムダがなくなり、チームとしての成熟度が高くなる。ワークライフバランスが向上する
何度か海外の会社に買収されると外国人の同僚やパートナーがどんどん増えます。
すると、必然的にいろんな人が集まることになります。
これが多様性を認める土壌です。
世界でグローバルにビジネスを展開するとなると、従業員だけでなく顧客も国によって様々になるので、多様性を排除することはできません。
わたしの会社の場合、ここまでの変化に6、7年がかかりました。
でもまだ変化の途上、今後もまだまだ変わっていくと思います。
おまけ お給料はどうなの?高いの?
一般的には同業の日系企業よりも1-3割ほど高いと言われていますけど、、どうなんでしょうね?
先に書いた通り、わたしの会社は買収された系外資系です。
給与体系に関しては、買収後もしばらくは買収以前のものが使われていました。
それが徐々に改定されてゆき、成果によってボーナスや昇給の幅に違いが出るようになってきています。
こちらも、まだまだ変化の途上という感じです。
ちなみに、外資系の生命保険会社で営業をしている友人の話によると、日系の同業他社よりも成果給(契約件数によって決まる給料)の割合が大きいそうです。
たくさん契約を取れば、そのぶん報酬も増えるということですね。外資っぽい。
前編 まとめ
今回の前編では、外資系のリストラについて紹介させていただきました。
いかがでしたか?
変化を楽しめる人・新しいことにチャレンジできる人であれば外資系企業は悪くない選択肢だと思います!
逆に、雇用の安定を求める人、従来の日本的な働き方を忘れられない人には向いていないかも。。
後編の外資系企業とライフワークバランス 成果主義の外資で育休なんて取れるの?では外資系企業の成果主義とワークライフバランスについて紹介します。外資系といえば厳しく成果を求められるイメージがありますが、実際のところどうなのでしょう?
お楽しみに!
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