本当に小型案件が上がりやすいのか? データで見る『騰がるIPO銘柄』の特徴
こんにちは! アキオ(@hiroakio97)です。
『いくら図書館のきまりでもね』へアクセス、どうもありがとうございます!
ここまで5回にわたってIPO株投資について書いてきましたが、今回はその最終回。
2017年に新規上場した94の銘柄のデータから、騰がる銘柄の特徴を探ろうと思います!
新規上場する会社は規模も業種も様々です。
初値が公募価格の数倍まで高騰する銘柄がある一方で、惜しくも公募割れしてしまう銘柄もあります。
両者の違いは一体なんでしょう?
高騰しやすい銘柄の特徴を把握して、今後のIPO株投資に役立ててください!
2017年のIPO市況振り返り
IPO株は2017年も引き続き盛況でしたね!
調べてみると、2017年は94件のIPOが実施されたようです。
そのうち初値が公募価格を上回った案件が、なんと84件!
実に89.4%もの確率で初値が公募価格を上回っています。
さらに、94件の平均初値上昇率は驚きの+109%!
ブックビルディングから上場初日までの数週間 資金を証券会社に預けるだけで2倍になって返ってくるってスゴくないですか?
抽選に人が殺到するわけです。
一方で、私の買ったカチタス(8919)のように数%の上昇に止まる銘柄があることも事実。
(私のIPO株初体験に興味のある方は前の記事『初めてのIPO株(新規公開株)投資で20万円の利益が出た話』もあわせてご覧ください)
両者の違いは一体なんなんでしょうか?
1番重要なのはIPOの公開規模、小型案件ほど期待は大きい
公開規模とは公募価格に公開株数をかけたもの。
上場時にそれだけの金額が市場からその銘柄へ流れ込むため、吸収金額とも呼ばれます。
公開規模の求め方公開規模 = 公募価格 × 公開株数
もしくは
公開規模 = 公募価格 × (公募株式数 + 売出株式数 + OA・オーバーアロットメント株式数)
以下は、公開規模と初値上昇率の関係を図示したものです。
*公開規模を示すX軸、初値上昇率を示すY軸共に対数表示になっています。ご注意ください。
プロットが直線状に並んでいて、明らかな相関がありますね!
10億円以下の小型案件では軒並み初値上昇率が100%を超えています。
対して、100億円を超える大型案件ではほとんどが数%の上昇にとどまっていることわかっていただけると思います。
狙うは公開規模10億円以下の小型案件です!
業種はIT系を狙え
次は上場企業の業種について見ていきましょう。
先ほどの公開規模ー初値上昇率 相関図に業種ごとに色付けしてみました。
黄色の『情報通信』いわゆるIT系の銘柄の初値上昇率が特に高い傾向にあります。
主幹事によって初値上昇率に違いは、、、なさそう
主幹事による違いを見ていきます。
2017年、94件のIPOに対して主幹事を務めた証券会社は全部で10社。
内訳は以下の通りです。
野村證券、みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券、SBI証券の上位5社で全体の8割以上を占めています。

別記事『なかなか当たらない! 抽選でIPO株を狙う時に気をつけるべき3つのポイント』でもお話しした通り、厳しい抽選でIPO株を勝ち取るためには主幹事に申し込むのが鉄則です。
とにかくIPO株が欲しいのであれば、この5社には口座を開いておくべきでしょう!
なお、主幹事と初値上昇率にはあまり相関は見られないようです。
先ほどの公開規模ー初値上昇率 相関図に、今度は主幹事を務める証券会社ごとの色付けをしてみました。
顕著な偏りは見られませんね。
強いて言うなら大和証券が少し高めかな? というくらい。
マザーズ上場銘柄がオススメ
お次は上場先について。
ニュースなどでお馴染みの東証一部を筆頭に、マザーズやJASDAQなど、日本には多くの証券取引所があります。
2017年、94件のIPO銘柄たちが上場した先は以下の通り。
半分はマザーズですね。
では、上場先によってIPO株の初値上昇率に違いはあるんでしょうか?
公開規模ー初値上昇率 相関図に、今度は上場先ごとの色付けをしてみました。
東証一部と二部はその役割的に公開規模の大きな銘柄が集まります。
そのため初値上昇率も低め。
新興市場であるマザーズとJASDAQは共に小型IPOが多く行われており、初値上昇率も高いです。
さらにこの二者を比較するとマザーズの方がより上昇率が高い傾向にあります。
JASDAQはバラつきが大きいですね。
一方、同じく新興市場・札証アンビシャスに上場した2社ですが、、こちらは公開規模の割に初値上昇率はやや低めとなっています。
データのサンプルが2点だけなので確定的なことは言えませんが、マイナーな地方市場では大幅な初値高騰は期待できないかもしれません。。

頑張れ札証!!
(管理人は札幌出身)
上場のタイミングと初値上昇率の関係
最後に、上場日と初値上昇率の関係を見てみましょう。
一般的には同時期に多数の新規上場が集中すると投資家の資金が分散するため初値は下がると言われていますが、実際は?
3月と12月はIPOが集中していますね。
そして、その間は10%前後の上昇に止まる銘柄もあり、初値上昇率が控えめとなっています。
この期間も上がる銘柄は普通に上がっているので、期待の薄い銘柄が閑散期よりさらにシビアにみられる傾向にあるということでしょう。
ちなみに、この時期にIPOが集中するのは例年のこと。
どうやら企業の決算時期が関係しているらしいです。
まとめ
というわけで、2017年の実績からみるIPO株投資の銘柄選定のヒントをお届けしました。
公開規模の小さい(10億円以下)IT系企業のIPOが狙い目です!
とは言え、こういう銘柄は基本的に激しい争奪戦。
証券会社に強いコネでもない限り、厳しい抽選を勝ち抜かなければいけません。
抽選のポイントは『なかなか当たらない! 抽選でIPO株を狙う時に気をつけるべき3つのポイント』にまとめましたので、興味があればあわせてご覧ください。
2018年もフリマアプリのメルカリや仮想通貨取引所のビットフライヤー、地下鉄の東京メトロ、家電量販店・ヨドバシカメラ、テーマパークを運営するUSJ、クラウドソーシングのランサーズなどなど、多くの企業の新規上場が噂されています。
この中にも初値が高騰する銘柄があるかもしれません!
2018年は皆さんもIPO株投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ではでは。
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