【企業型DC資産配分】信託報酬が低いインデックス・ファンドがおすすめ
こんにちは! アキオ(@hiroakio97)です。
育休からの復帰を機に、個人年金(確定拠出年金)について色々考えています。
具体的には、企業型DC(Defined Contribution:確定拠出年金のこと)の見直しとiDeCoへの加入です。
10年前に社会人になった時、会社に勧められるままに企業型DCへ加入。
以来、ほったらかしになっていました。
当時は「資産運用とか節税とか、、サッパリわからん☠」って感じだったんですが、、
あれから10年、多少の投資経験を積み、税金についても徐々に知識がついてきました。
育休中は節税効果が下がるため掛金をセーブしていたのですが、今回、復帰に合わせて掛金を上限まであげようと思います。。
そんなわけで、ほったらかしにしていたわたしの企業型DCを久しぶりにチェック。
投資先も再検討、当時の反省とともに振り返りました。
10年前のわたし同様「確定拠出年金ってなに? なに選べば良いかまるで分からん!」ってなってる新社会人の皆さん、今のわたしのように「会社に言われて入ってみたけど、ほんとにこれで良いの?」ってなってる中堅・ベテラン社会人の皆さん、ぜひ参考に!
そもそも確定拠出年金って何? 個人型(iDeCo)企業型、何が違うの?
具体的なわたしの企業型DCの話をする前に、「そもそも確定拠出年金って何?」って人は前記事をみてください。
参考記事:新社会人向け、5分でわかる確定拠出年金【企業型と個人型(iDeCo)の違いも説明】
わたしの企業型DC、10年間の運用成績
あんまりもったいぶってもアレなんで、まず最初に2019年2月現在のわたしの年金資産状況を記録しておきますね。

わたしがこの企業型DCに加入したのは2009年4月のこと。
この記事を書いている時点で、ちょうど10年が過ぎようとしています。
この間にわたしが積み立てた掛金は、およそ181万円。
一方、現在の評価額は、およそ257万円。
およそ76万円、割合にすると+42.0%の利益が出ています。
年利に換算すると+6.47%だそうです。
結構いいですね!
下の図はみずほ銀行が提供する企業型DC全加入者の利回り分布図です。
+6.47%は全加入者の上位4%に相当する結構良い数字なことが分かります。
(運用開始時期や運用期間が人によって違うので一律に比較するのはフェアじゃないん気もするんですが、、)

「なぜこんなに運用成績がいいのか?」、、
答えは、単にわたしがラッキーだっただけです。
運用を始めたタイミングが良かったんです。
わたしが企業型DCの運用を開始した2009年当初、わたしは大学を卒業したばかりで、投資のことも年金のこともまるで関心がありませんでした。
が、資産運用的には2009年といえば、2008年リーマン・ショックの翌年。
2011年の東日本大震災の少し前です。
ちょうど世界・日本共に景気のどん底にいた頃から運用を開始したと言えます。


逆に2018年上期に加入した人なんかは、今少々厳しい結果になっているかもしれないですね。
わたしの企業型DC、アセット・アロケーション(資産配分)
というわけで、この10年の好調な市場を追い風に、順調に大きくなったわたしの年金資産ですが、もう少し詳しく個別の要因も見ていきましょう。
下はこの10年間のわたしの年金資産の積立配分と現在の評価額の割合です。
10年間、完全に放ったらかしで、積立配分の見直しや資産のリバランスはしていません。

元本確保型商品(生命保険)と債券で積立額の50%近くを占める、かなり保守的なアセット・アロケーションになっています。
未熟なりに、色々考えた跡がうかがえますね。
でも正直、今となっては生命保険と債券は不要だったなーと思います。
年金受給まで30年近くある状況では、もっと積極的にリスクをとるべきでしょう。
中・長期的な運用で、債券の利回りが株式の利回りを超えることはありません。
歴史が証明しています。
さらに、株式も日本株が多すぎますね。
日本株の購入が35%に対して外国株はたった5%です。
当時は「外国=リスク大」的な誤解が、わたしの中に確かにありました。
実際には、日本だけに集中投資する日本株ファンドよりも、アメリカやヨーロッパ各国に広く分散投資する外国株ファンドの方がよっぽど低リスクなんですけどね。
さらに言えば、老人ばかりで先行き暗い日本よりも、今後も生産人口が増え続けるアメリカやアジア各国の方が株価の未来も明るいでしょう。
日本に住んでいると勝手知ったる日本株が安心と誤解してしまいがちですが、外国株にも資産を回してリスクを分散しましょう。
日本株はせいぜい2割も配分すれば十分です。
さらにもっと細かく、わたしの企業型DCの個別の商品を見るとこんな感じです。

アクティブ・ファンドが多すぎますね。
まあ、それ自体はさほど問題ではないのですが、、
そのアクティブ・ファンド達のコスト(信託報酬)が、見過ごせないほど高い!
軒並み1%を超えています。
対してインデックス・ファンドはいずれも0.3%ほど。
当時は気にもしませんでしたが、あれから10年間、運用や投資の経験を積んだ今となっては「ちょっとないな〜」って水準です。
投資に慣れない人は「たかだか1%ww」って笑うんですが、先ほど書いた通りわたしの運用利回りが年利プラス6.47%ですから、それと比べると信託報酬1%がどれだけ大きい数字かわかりますね。
7%弱の利益のうち1%がコストとして引かれることになります。
例えるなら、100万円投資して年間7万円の利益が出ます。
そこから1万円の信託報酬が引かれるわけです。
信託報酬がどれだけ投資の利益を圧縮してしまうか、わかっていただけますか?
信託報酬は少しでも低いものを選びましょう。
ちなみに、各商品の損益率を図示するとこんな具合になってます。

MHAM日本成長株ファンドの損益率が群を抜いていますね。
右肩上がりの相場環境とうまくマッチしたのでしょう。
それ以外の日本株アクティブ・ファンド(シュローダー年金日本株とMHAM日本バリュー株)はインデックス(MHAM株式インデックス255)をアンダーパフォームています。
アクティブ・ファンドの多くはインデックス・ファンドのパフォーマンスを超えることができないというのは、残念ながら投資の世界ではよく知られた事実です。
結局、高い信託報酬が仇になってしまうんですよね。
また、債券系のファンド(DIAM公社債とDIAMGボンドDコース)は株式系のファンドに大幅な遅れをとっていますね。
やっぱり当面、債券は不要です。
50代、もしくは年金受給が始まってから市場の状況を見つつ適宜、株式から債券へスイッチングすれば十分でしょう。
今後はインデックス・ファンドを使って、世界の株式に均等に分散投資する
というわけで、わたしの企業型DCを10年ぶりに振り返ってみました。
通算の損益率は+42%、年間利回りは6.5%となかなかの好成績。
ですが、その中をよく見ると生命保険と債券が掛金の55%を占める、非常に保守的な資産配分となっていました。
当時は当時なりの考えがあって、そんなお爺ちゃんみたいな資産配分にしたんだと思います。
が、今ならそうはしません。
こんな感じに改めます。

外国株(全世界)に渾身の全振りです。
”全振り”なんていうと一点集中の超ハイリスク運用みたいに聞こえますが、それは間違い。
「一つで全世界に広く分散投資できる商品がある」ってことです。
具体的にはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスやMSCI ACWI(ACWIは”オール・カントリー・ワールドワイド・インデックス”の略)をベンチマークにしたインデックス・ファンドのこと。
日本の株式市場の平均を示す指数に日経平均株価やTOPIXが、アメリカの株式市場の平均を示すのにS&P500があるように、
世界の株式市場の平均を示す指数としてFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスやMSCI ACWIが設定されています。
つまり、先に言った”外国株(全世界)に渾身の全振り”というのは、「債券や保険商品は無しで株式だけに、特定の国や地域に偏らず世界中に満遍なく、投資する」という意味になります。
企業型DCの場合、お勤めの会社が提携する金融機関の商品ラインナップによっては、全世界株式に一括投資する商品がないケースも考えられます。
その場合は、こんな感じの資産配分にすれば全世界株式一本とほぼ同等の結果が得られるでしょう。
先ほどのFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスやMSCI ACWIも中身はこうなっているので。

世界の株式の時価総額の10%が日本株というのは、ちょっと驚きですね。
バブルの頃ならまだしも、まだ現在も世界経済の中でそれだけのウェイトを占めているなんて。。
もちろんこの数字は時期によって若干の前後はありますが、日本はここ数年常に第2位で7〜10%を占めています。
ちなみに、1位はもちろんアメリカで、割合は他を圧倒する驚きの50%以上!
2位は先ほどの通り、日本で8%ほど。
3位がイギリス、5%。
4位は中国で4%。。。といった具合です。
世界の時価総額の過半数はアメリカに集中しているんですね。
先にも書いた通り、この数字は現在のもので将来もこの比率とは限りません。
中国やインドがさらなる経済発展を遂げ、アメリカの牙城を崩すことも十分にあり得ます。
その際は上記の「日本以外の先進国:新興国:日本」の比率を手動でリバランスする必要がありますね。
もし、あなたが全世界に均等に投資するだけじゃ退屈だと感じるなら、全体の5〜10%ほどをあなた好みの商品にしてみてもいいでしょう。
例えば不動産(REIT)や金・原油・穀物などのコモディティなどです。

全世界の代わりに、アメリカだけじゃダメだろうか?
先ほどちらっと触れた通り、現在アメリカ市場だけで世界の株式の50%以上を占めています。
これはつまり、全米株式もしくはS&P500に投資するだけで世界の半分に投資しているというわけです。
「それなら全世界株式じゃなくて、全米株式だけで十分じゃない?」なんて疑問もわいてきます。
実はこれ、世界中のインデックス投資派にとって永遠のテーマなんです。
歴史に答えを求めるなら、アメリカに投資するのが正解です。

上記は2001年から現在2019年までのVTI(全米株式ETF)とVT(全世界株式ETF)の比較チャートです。
全米株式が全世界株式を圧倒していることがわかります。
「じゃあ今後もアメリカに投資しておけば間違い無いのか?」といえば、、
そうとも言い切れませんね。
中国やインドといった新興国がアメリカに追いつき追い越すかもしれませんし、
日本やイギリスが再び盛り返すかもしれません。
未来のことは誰にもわかりませんから。
わたし個人の考えとしては、少なくとも向こう10数年のうちにアメリカが没落するようなことはないと思っています。
わたしの年金が運用されている間はアメリカ一強の時代が続くんじゃないかな。
じゃあ、なぜ全米株式ではなく全世界株式に投資するのか?といえば、それは年金以外の資産でアメリカ株の積立投資を実践中だから。
参考記事:【アメリカ株投資日記01】ポートフォリオ完成!積立て投資を開始します
「年金までアメリカ株に入れたんじゃ、ちょっとやりすぎかな。。」ってことで、DCに関しては全世界株に投資することに決めました。
(それでも、間接的には年金の半分はアメリカ株を買ってるのと同じことなんですが。。)
これはわたしの個人的な事情なので、この記事を読んでるあなたが「いや、今後もアメリカは強いよ! 弱ってきたらその時に資産配分見直せば良いだけだし!!」と思うなら、年金をアメリカ株に投資するのもひとつの正解だと思います。
わたしも年金以外の運用資産がなければ、DCで全米株式を買ってると思います。
まとめ 年金は投資コスト(信託報酬)の低いインデックス・ファンドで
というわけで、『【企業型DC資産配分】信託報酬が低いインデックス・ファンドがおすすめ』というお話でした。
確定拠出年金は低コストのインデックス・ファンドで全世界株式もしくは全米株式がオススメ。
その際、債券や元本確保型商品(定期預金や生命保険)は不要です。
また、日本株の配分は多くなりすぎないように注意しましょう。
資産配分に迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
実際にわたしが自分のDCを見直した結果はこんな感じになっています。
参考記事:うちの会社の企業型DCの商品ラインナップがショボすぎる!その上マッチング拠出もiDeCo加入不可とか。。
なお、確定拠出年金や年金、老後資産について、もっと詳しく知りたい方はこちらの本がオススメです。
「老後資産の形成には確定拠出年金が最強!」ということで詳しく解説しています。
その他、積立NISAやふるさとの納税、生命保険、持ち家購入、、とお金にまつわる気になるトピックがたくさんです。
ではでは。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません