投資対象・投資地域・投資時期の3つの分散で資産運用のリスクを減らす

2018-06-08

リスクと付き合う

こんにちは! アキオ(@hiroakio97)です。

これまで『資産運用のリスク』シリーズでは市場でのリスクとは将来の不確実性を意味すること、市場には6種類のリスクがあること、商品ごとにリスクに特徴があること、をお勉強してきました。

今回はその4回目、市場リスクへの対処法について。
「リスクは分散させましょう!」というお話です。
分散させるポイントは投資対象投資地域投資時期の3つ!

 

前回までのおさらい、市場のリスクと商品ごとの特徴について

市場に潜むリスクは6つ。

  • 価格変動リスク
  • 金利変動リスク
  • 信用リスク
  • 為替変動リスク
  • カントリーリスク
  • 流動性リスク

 

投資対象別にこんなリスクの特徴があります。

価格変動
リスク
金利変動
リスク
信用リスク為替変動
リスク
カントリー
リスク
流動性
リスク
銀行預金なし
*1千万円まで保証
なし
*外貨預金は”中”
不明なし
*定期預金は”低”
積立型保険なし
*商品により”低”
なし
*商品により”低”
なし
*外貨建ては”中”
不明
債券なし
*途中売却は”低”
なし
*途中売却は”低”
低〜高
*銘柄による
なし
*外貨建ては”中”
不明低〜高
*銘柄による
投資信託低〜中
*銘柄による
なし〜高
*銘柄による
低〜高
*銘柄による
なし〜中
*銘柄による
不明
株式中〜高
*銘柄による
低〜高
*銘柄による
低〜中
*銘柄による
不明低〜中
*銘柄による
FX低〜高
*レバレッジ次第
中〜高
*通貨ペアによる
不明
不動産低〜高
*レバレッジ次第
なしなし
*海外物件は”高”
不明

 

リスクを減らすカギは『分散』

投資の世界にかぎらず、長い間 継続して成果を残したければリスク分散は欠かせません。
投資で言えば分散投資ですね。

欧米ではこんな投資格言があります。

Don’t put all your eggs in one basket.
(卵は一つのカゴに盛るな!)

つまり

「全ての卵を一つのカゴに盛れば、1度の失敗で全ての卵を失ってしまうかもしれない」
—> 資産は分散してリスクに備えろ!

という意味です。
古今東西 問わず、分散投資は相場の基本なんですね。

 

では何を分散すれば良いのかというと、、
主に冒頭であげた3点、

  • 投資対象
  • 投資地域
  • 投資時期

です。

例えば、日本の年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)。
GPIFが運用する資産(私たちの年金積立金)は約160兆円とメチャメチャ巨額ですし、私たちの老後資金ですから失敗は許されません。
そりゃ分散しますよね。

GPIFのホームページによると、分散の内訳はこんな具合。

複数の資産に投資することで、リスクを抑えながら期待収益率を上げる「分散投資効果」を用いて、基本ポートフォリオ(長期的な観点からの資産構成割合)を策定しています。

運用資産別の構成割合

出典元 : GPIF

 

投資対象は株式と債券に、投資地域も日本国内と外国に、それぞれ分散されています。
投資時期に関しては上記引用部分には表記されていませんが、毎月の給料のたびに年金が天引きされてるわけですから、GPIFも毎日・毎月コツコツ積み立てていることでしょう。

ちなみに、利子・配当収入だけで年間7,600億円もあるそうです。
スゴイ。。😳

 

バランスが大事! 投資対象を分散しよう

単に「分散投資」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、この投資対象の分散でしょう。

1社の株式に集中投資した場合、その会社が業績不振や不祥事などで上場廃止になるようなことがあればあなたの資産は全滅です。
また元手を作るところからやり直し。リスタート。

一方、10社に均等に分散投資していれば、仮にそのうちの1社が倒産しても失うのは10%。
10%ならそこまで痛くないし(いや、痛いですけどね。実際は。。)、他の9銘柄の配当や値上がり益ですぐに埋め合わせできるでしょう。

 

このとき注意しなきゃならないのは、似たような銘柄を集めないこと。
複数の異なるタイプの資産をバランスよく持つことです。

例えば、フェイスブックとアマゾン、Netflix、アルファベット(グーグルの持株会社)、マイクロソフト、アップル、エヌビディアにテスラ、この8社に分散投資したとして、、どうでしょう?
資産が安全に分散されてると思いますか?

この8社はそれぞれの頭文字をとって『FANG』『MANT』と呼ばれています。
(FANGの4社にアップルを加えて『FAANG』としたり、FAANGからNetflixを除きマイクロソフトを追加して『FAAMG』と呼ぶこともあります)
いずれもこの数年 世界を席巻しアメリカの経済を牽引する会社たちで、この8社が全て倒産するようなことはまずあり得ないでしょう。

「じゃあ、このFANGとMINTの8社に分散しておけば資産は安全?」というと、答えは否!

この8社は業種と値動きの傾向が近すぎるからです。

先ほどのGPIFのポートフォリオを覚えていますか?
株式と債券が半々くらいで入っていましたね。

あれは何故かというと、株価と債券の価格には負の相関があるからです。
つまり、債券が値上がりすると株価は下がる。逆に、株価が上がると債券は値下がりする。
好景気では株式が、不景気では債券が、ポートフォリオを支えてくれるということですね。

一方で、先ほどのFANG・MANTの8銘柄はどうでしょう?
これ全部 IT・ハイテク関連の銘柄ですね。
ITセクターの銘柄は今のような景気拡大局面では強いですが、不景気には弱いです。
しかもFANG・MANTは今 投資家たちの期待を集めに集めて株価はブクブクに膨れ上がった状態ですからね。
景気が減速しだしたらどうなるか。。

というわけで、いくらあなたがIT大好き人間でもハイテク銘柄だけに集中投資するのはやめましょう。
全体の半分以下に抑えるべきでしょうね。
そして残りの半分は不景気に強い資産へ。

ではどんな銘柄が不景気に強いのかというと、、
まずは先ほどのGPIFの例でもあった通り債券ですね。
株式なら生活必需品や安価な嗜好品を売る会社、製薬会社やエネルギー関連会社の株もいいでしょう。

不景気だからといって毎晩の歯磨きをやめる人はいませんよね?
景気を理由に禁煙する人も少ないでしょう。
当然景気が悪くても薬は買います。

そんなわけでこれらの会社の株はディフェンシブ株と呼ばれています。
反対に、先ほどのハイテク株などは景気敏感株

ディフェンシブ銘柄たちは不景気でもハイテク銘柄のように極端に株価が下がったりはしません。
が、好景気でもそれほど上がりません。
景気が良くても歯磨き粉の量は変わりませんから。
ディフェンシブ株と景気敏感株のバランスが大切な理由です。

 

ちなみに、アマゾンの株価は2000年のドットコムバブル崩壊後、一時はピークから95%安まで落ち込んでいます。
1/20になっちゃったんですよ! 恐ろしすぎる😨
その後 徐々に株価を戻し、2015年頃から加速。
2018年現在ではドットコムバブル時のピークの10倍以上の株価をつけています。
集中投資には向きませんね。。

 

投資地域も同様に

「ディフェンシブ株と景気敏感株、バランスよく投資すれば十分じゃない? なんで地域まで分ける必要あるの?」と思われますか?

確かに外国株を買うのは少々手間です。
日本株とは別の口座が必要になりますし、安くなってきたとはいえ 手数料もまだまだ国内株と比べて割高です。

それでも投資地域の分散が必要なのは、為替変動リスクとカントリーリスクを軽減するためです。

日本で暮らし、日本の企業で働き、日本円で給料をもらって、日本株で資産運用する、、これでは日本に集中投資しすぎです。

確かに日本は世界でも有数の安全な国ですが、それでもリスクがないわけではありません。
首都直下型地震はずっと「いつか起きる」と言われていますし、隣国との摩擦もあります。
今後極端な円安になれば、海外の製品は軒並み値上がりするでしょう。

全ての資産を円で持つのではなく、世界の基軸通貨であるドルにも一部は振り向けるべきでしょう。

 

ちなみに、アメリカ株を買うのであればSBI証券楽天証券マネックス証券の3つがおすすめです。

 

投資時期の分散、結局のところ積立が一番なのかな?

最後に投資時期の分散について。

投資の基本は『安く買って、高く売る』です。

「それなら分散しないで、一番 安い時にまとめて買えばいいんじゃないの?」って人が多いんですが、、
はっきりいってそれができれば苦労はないです。

特に現在(2018年6月)のような世界的好況の中では、「高値掴みが怖くてインできない」という人がいることも理解できます。
でも、突然の下落がいつ来るかは誰にもわかりませんし、一度始まった下落がいつまで続くのかもわからないんです。

私だって「半年後に暴落が来る!」って分かってればそれまで待ちますよ。
でも実際はそうじゃない。

確実に分かってることは「暴落はいつか来る」ってことだけです。

それは半年後かもしれないし、1年後かもしれない。3年後かもしれないし、10年後かもしれない。
そして、ようやくきた暴落で株価が今より低くなるのかもわかんないんですよね。
だったら早めに投資して値上がり益と配当を再投資した方が良いかもしれない。
『資産を増やすには複利の力が欠かせないこと』と『時間をかければかけるほど複利の力は大きくなること』は資産運用の常識です。

 

下のチャートはここ40年間のアメリカ ダウ平均株価の推移です。

 

ダウ工業株平均の推移
Googleの”ダウ平均”検索結果より

 

この40年間、たくさんの紛争や経済危機がありました。
その度に株価は大きく落ち込みましたが、それでも世界の経済は数年のうちに何事もなかったかのようにまた上がり始めます。

このチャートを見れば、「別にどこでインしてもそんなに変わらないかもな、、むしろ早く飛び込んだ者 勝ちじゃないか」と思いませんか?

というわけで暴落を待たずに、『今』始めるべきです。
そしてあとはひたすら淡々と積立です。

 

定期的に決まった額を積立ることで、投資時期を分散することだできます。

投資時期の分散は価格変動リスクを減らし、値動きを平滑化する効果が期待できますね。

 



まとめ AIが自動で良い感じにリスク分散してくれるウェルスナビがオススメ

以上、リスクを避けるには投資対象・投資地域・投資時期 3つの分散が有効です、というお話でした。

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ではでは。

 

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よければ読んでみてくださーい。