投資・資産運用のリスクって? 将来の不確実性とリスクプレミアム
こんにちは! 育休パパのアキオ(@hiroakio97)です。
突然ですが先日、会社の同僚の送別会がありました。
さすがに生後半年の赤ん坊は連れて行けないので、代わりに(?)6歳の長男と3歳の次男を連れて出席してきました。
毎度 育休中の自分にも声かけてくれるのは本当にありがたいです☺
そんなお酒の席で、ふと投資のことが話題に上がりまして、、
「株を始めてみたいんだけど奥さんに反対されてて。。」
「投資ってリスクデカイよね!?」
「ギャンブルみたいなもんでしょw」
私は私で そんな会話を横で聞きながら、「お金に関わるリスクって誤解されてること多いよなー」とボンヤリ思ったり思わなかったり。
というわけで 以降何回かに分けて、みんなが知ってるようで知らないお金に関するリスクについて 私が改めて調べて勉強したことをまとめてみようと思います!
初回の今回は「そもそも『リスク』って何よ?」ってところから🙂
投資・資産運用の『リスク』の意味は不確実性
一般的には『危険』と訳されることの多い『リスク』。
しかし ことお金のこととなると、少々意味合いが違ってきます。
投資や資産運用で『リスク』と言った場合、将来の不確実性を意味することが多いです。
以下はみずほ証券ホームページから『リスク』に関する引用。
「リスク」というと「損をする・危ない」といったイメージで受けとめがちですが、資産運用のうえでの「リスク」は「不確実なこと・値動きの振れ幅」として使われます。また、「リターン」とは運用によって得られる収益のことをいいます。(リターンがマイナスの場合もあります。)
出典元 : みずほ証券
つまり、期待値(平均)からのブレを『リスク』と呼ぶのです。
たとえ話 『長生きする村・しない村』
ここで一つ例え話を。
日本の平均寿命は80歳と言われていますが、、
例えば、A地区に住む人は必ず80歳で亡くなるとします。当然、平均寿命は80歳ですね。
B地区もA地区同じく、平均寿命は80歳です。が、住民の亡くなる歳には若干のブレがあり75〜85歳(80±5)とします。
同じく、C地区の住民は60歳〜100歳(80±20)まで生きられるとすると、、各地区の寿命の分布は以下の通り。

A,B,C いずれの地域も分布図でみると曲線のピークの位置は同じ、つまり平均寿命は80歳です。
が、A–>B–>Cとピークの山が低くなればなるほど裾野が広がってゆき、、寿命の不確実さ(振れ幅の大きさ)が大きくなっていきます。
最も長生きする可能性があるが、その代償として早死にのリスクもあるのがC地区というわけです。
つまりC地区はハイリスク・ハイリターン。
一方、A地区は平均寿命に幅がありません。
『必ず』80歳まで生きれるA地区は早死に関してリスクがありませんが、長生きする可能性もゼロです。
ノーリスク・ノーリターンと言えます。
不思議なもので 投資的意味では、「長生きする可能性のあるC村が最もリスクが高い」というわけですね。
似たような例えで、必ず沈む船・必ず壊れる洗濯機・必ず倒産する会社の株などなども、不確実性が無いという意味で投資的にはノーリスクと言えます。
パラドクスですねw
というわけで、これが投資や資産運用で言うところの『リスク』です。
単に避けるべき危険ではなく、将来期待されるリターンのブレのことを『リスク』と呼びます。
リターンとリスクは表裏一体。
リスクがあるからリターンを狙うことができるとも言えますね。
リスクを負う価値『リスクプレミアム』
いかがでしょう?
リスクの意味、リスクとリターンの関係、なんとなくでも理解していただけたでしょうか?
期待値とリスクのバランス
ここでもうひとつ、似たような例をあげてみましょう。
今回は実際の投資・資産運用に例えてみますね。
100万円分購入すると1年間後に必ず101万円になる、ノーリスクで年利1%の金融商品A。
同じく年間の利回り期待値は1%だけど、±3%と比較的小さなブレ(リスク)がある金融商品B。
またまた同じく年間の利回り期待値は1%だけど、±15%と大きいリスクがある金融商品C。
言い換えると、いずれも利益の期待値は1万円(=1%)だけど、、
必ず+1万円になる金融商品A。
−2万〜+5万円とリターンに少し幅がある金融商品B。
−14万〜+16万円とリターンに大きなブレがある金融商品C。
先ほどの寿命の例と同じく、図示してみるとこんな感じ。

いずれの商品も利回りの期待値(平均値)は1%ですが、図からも先ほどの寿命の例と同様 商品Cのリスクが大きいことが分かります。
ここでひとつ、みなさんに質問です。
実際に100万円投資するとして、あなたならどの金融商品に投資します?
期待値1%でノーリスクのA・同じく期待値1%で±3%のリスクがあるB・またまた同じく期待値1%で±15%のリスクがあるC。
ちょっと考えてみてください。
。。。。
いかがでしょう?
A・B・Cどの商品に投資するか、決まりましたか?
多くの人はAを選んだんじゃないでしょうか?
一部、Bを選んだ人もいるかもしれませんね。
Cを選ぶ人は少ないと思うんですが、、どうでしょう。
私ですか? 私はこの条件なら迷わずノーリスクのAに投資します。
意外ですかね?
「投資好きな人って、積極的にリスクとるんじゃないの?」って思われるかもしれませんね。
でも、私がAを選んだ理由はシンプル。
他の商品は割りに合わないからです。
バランスを取るための下駄『リスクプレミアム』
確かに私は割と積極的にリスクをとっていく方です。
が、それはリスクと期待値のバランスが取れている時だけです。
今回の例のように、リターンの期待値が同じならリスクの小さい方をとります。
例の商品Cは確かに、最大16%のリターンがあり得ます。
ただし期待値はあくまで1%です。
期待値以上の利益をのぞむとなると、投資というよりは投機的な側面が強くなってきます。
もし先ほど商品Cを選んでしまったとしたら、あなたにはギャンブラー的な嗜好があるのかもしれません。
それ自体は悪いことではありませんが、自覚はしておかないと危険です。
頭の片隅に置いておきましょう。
少し脱線してしまいましたね。話を元に戻します。
先ほど「例の商品BとCは割りに合わない」と言いました。
じゃあどうすれば『割りに合う』のか考えてみましょう。
答えは簡単。
利回りの期待値を上げればいいんです。
合理的に機能した市場では、リスクは投資家らに正しく評価され適正な価格・利回りで取引されます。
±3%のリスクがある商品Bは利回り期待値が3%。
つまり平均3%で最低0%から最大6%くらいのリターンが期待できれば割りにあった投資と感じられるんではないでしょうか?
同じく、±15%のリスクがある商品Cは期待値7%程度あれば妥当と思えます。
最低−8%から最大で+22%の幅でリターンがあり得るということですね。
ノーリスクの商品A’は利回りの期待値が1%、つまり1±0%。実際の金融商品に例えるなら国債など債券に近いイメージです。
ローリスクの商品B’は利回り3±3%。例えるならば投資信託ですね。
ハイリスクの商品C’は利回り7±15%。株に近いです。
図示するとこんな感じ。

これならA’・B’・C’どれもリスクとリターンの期待値が妥当なバランスです。
個人の好みや懐具合に合わせて、好きなものを買えば良いでしょう。
私は多分 商品C’(株)を買います!
私のようにリスクを背負ってでも資産を増やしたい人はC’(株)を、リスクを嫌う人はB’(投資信託)を、既に資産を築いていて小さな利回りでも十分大きな利益が得られる人はA’(債券)を、、それぞれ選ぶべきですね。
ちなみに、この『割りにあう』ために履かせた下駄のことをリスクプレミアムと言います。
ノーリスク資産の商品A’(債券)と比べて商品C’(株)は利回り期待値が6%高いわけですが、この6%がリスクプレミアムです。
つまり、『私をはじめC’に投資する人は、この6%のリスクプレミアと引き換えに±15%のリスクを受け入れた』と考えられるわけです。
この『割りにあう』という考え方、投資先を選ぶとき・お金を使うときにとても大切です。
利回りの高い商品にはそれ相応のリスクがあるということ、覚えておいて損はありません。
この点を肌感としてしっかり押さえておくだけで、「あなただけ特別、ノーリスクで利回り10%保証!」なんて詐欺に引っかかることはまず無くなります。
だって、利回りが高すぎて明らかに不審。
商品を売る側にしたら『割りに合わない』ですから、わかってる人なら何かおかしいと気付くはず。
パチンコや競馬みたいなギャンブルについても同じ。
投資的に考えれば、店や胴元の取り分だけ期待値がマイナスなのに、リターンの幅はすごく広い(利回りが低いのにリスクだけ大きい)。
こちらも『割りに合わない』ことが分かります。
一方で、統計的に勝率9割のIPO株 初値取引なんかはやっぱりローリスクですね。
新規上場する会社の規模や業種によって、ある程度リターンも想像がつきますし。
「IPOってなに?」ってかたはこちらの記事を読んでみてください。
まとめ
というわけで、投資・資産運用に関する『リスク』の考え方、理解していただけましたでしょうか?
投資・資産運用するときは 常にリスクとリターンのバランスを意識して、投資の目的や投資できる期間、許容できる損失などなど個人の条件にあった商品を選択していきましょう!
今回はざっくり『リスク』とは何か?を説明してきましたが、次回はもう一歩踏み込んで投資にはどんなリスクがあるのか?『リスクの種類』についてお話ししたいと思います。
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ではでは。
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