初めてのIPO株(新規公開株)投資で20万円の利益が出た話。大手証券会社とのお付き合いが始まりました!

2018-01-08

IPO体験記

こんにちは! アキオ(@hiroakio97)です。
ブログ『いくら図書館のきまりでもね』にアクセスありがとうございます。

今回はIPO株投資シリーズの第4話目。
IPO株を初めて買った私が実際に利益をあげるまでのプロセスを紹介します!

 

 

初めてのIPO株取引の概要

はじめに結果だけサラッとお伝えしておきます。

今回私はカチタスという会社のIPO株を2,000株3,280,000円で購入。
公開初日に売却し、193,986円の利益がありました。(税金と手数料を引いた純利益です)

330万円の投資で19万円の利益、利回りにすると約6%です。

正直、期待していたほどではありませんでした。
が、1日で大きな苦労なく得た収入としては悪くない額とも思います。

ちなみに、前記事とさんざん”公募価格で購入して、上場初日に初値で売るのがセオリー!!”と書いてきた私ですが、今回は初値で売りませんでした
その辺の立ち回りも含め、今回の記事を参考にしていただきたいです。

ちなみにちなみに、2,000株はカチタスのIPOで主幹事を務める大和証券から裁量配分で割り当てられました
通常、抽選で100株以上入手するのは困難でしょう

 

そもそもIPOってなによ?」って方はまず『勝率9割!リスクなしのIPO 株(新規公開株)投資ってどんな投資?』をどうぞ。

 

では、素人投資家のIPO初体験記をお楽しみください!
大手証券会社の仕事ぶりも見どころです!!

 

きっかけは資料請求

きっかけは大手証券会社への資料請求でした。

確か今から一年ほど前、大和証券がやってるプレゼント企画が目にとまりましたのです。
Twitterか何かで。こんな感じの。


ツイッターのフォローとリツイートで「株主優待ガイド 2016年版」抽選で50名様にプレゼント!|大和証券

「無料だし、ちょっともらって見てみるか」くらいのつもりでした。
もちろん大和証券に口座を開くつもりはありません。

 

アキオ曰く、
アキオ

大手証券会社って、手数料高いしあんまり良いイメージないですよね。
リテラシー低い人を騙して退職金とか老後資金を狙ってるような。。

 

その後、大和証券からは音沙汰なし。
請求した資料も届きませんでした。

私の方も先述のような感じでしたので特に深追いすることもなく、それで大和証券との付き合いは終わりかと思われました。

30代サラリーマンで大した資産もない私は彼らのターゲットではなかったのでしょう。
残念ながら。

 

IPO株購入の誘いと口座開設

その後1年程がたった2017年の11月、一本の電話が入りました。

若い男性の声で、
「先日は資料請求ありがとうございます。遅くなってしまったのですが、今からでも資料の方送付させていただいても構いませんか?」
とのこと。

正直「今さらいらんわ」と思いつつ、ざっと目を通した後に子供の落書き帳にでもなればと改めて資料の送付をお願いしました。
その際、世間話程度にこちらの投資経験や運用の状況、規模などについてインタビューを受けました。

それから1週間ほどしたある日、再度電話が鳴ります。

「突然ですが、IPOに興味はありませんか? 12月13日に佐川急便の持ち株会社・SGホールディングスが新規上場するのですが」

ちなみに、SGホールディングスは公開規模1,000億円を超える超大型上場。
佐川の知名度もあって、2017年最大のIPOイベントとして注目されていました。

基本的に公開規模の大きなIPOは値上がり幅が小さいのですが、ここまでの超大型になってくるとまた少し話が違ってきます。
話題性が高く、一種のお祭りとして多くの資金が集まるため初値が上がりやすいのです。
前年のLINEやJR九州などが良い例ですね。

別記事『なかなか当たらない! 抽選でIPO株を狙う時に気をつけるべき3つのポイント』にも書いた通り、IPOに興味はあるものの落選続きで諦めた過去がある私は大和証券で口座を作ることにしました。
初IPO株チャレンジです!

電話で口座開設したい旨を告げると、翌日には営業さんが自宅に申込書一式を持って来てその場で申し込みとなりました。
この辺のスピード感は営業さんがいる大手証券会社ならではだなと感じます。

ちなみに、私の担当になった営業さんは入社3年目の若手。
ネイビーでストライプの入ったスーツを着て、腕にはロレックス。
体育会系な雰囲気でいかにも証券マンといった感じの青年でした。

 

アキオ曰く、
アキオ

ちなみに、今育休中で比較的時間に余裕があったことが後押ししてくれました。
何か新しことを始めるには時間と心にゆとりが必要なタイプなので!

 

初めてのIPO株購入

口座開設が完了した後、IPO株購入手続きのため再度営業さんが自宅にやって来ました。

挨拶もそこそこに、こんなことを言います。

「佐川も良いんですが、同時期に新規上場するカチタスはいかがですか?」

内心「佐川じゃなかったんかい!?」と思いつつ、佐川・カチタス両社の業績や初値予想について話を聞きます。
要点をまとめると、以下のような具合。

 

  • カチタスは中古住宅再生事業を主とする不動産屋さん。資本金37億円、日本全国で事業展開する結構大きな会社
  • カチタスのIPOの公開規模は377億円の大型案件
  • 佐川は超大型IPOで公開株数が多いが、今年最大の注目IPOで応募も殺到している。申し込んでも100-300株ほどしか配分をとれない可能性が高い
  • 一方、カチタスなら今空いてる資金(300万円)全て割り当てられる可能性が高い
  • 予想初値騰落率は佐川が0% 〜 +10%、カチタスが−10% 〜 +20%

 

佐川で100株割り当てられても利益は良くて数万円、カチタスなら投資規模も大きくなりますが利益数十万円もありえます」と言うのが彼の言い分でした。

割り当て数と予想初値について、大和証券営業マンの言葉をそのまま鵜呑みにすることはさすがにできません。
彼には彼の事情があるからです。

支店や個人としてのノルマや目標は当然あるでしょう。

とはいえ、他に信頼できる情報源もありません。
個人投資家は主幹事証券会社がプロデュースするお祭りに乗っかる他ないようです。
この辺の、知識・経験よりも運と勢いがモノを言うあたり、通常の投資とはやはり違います。

結局、営業さんの提案にのってカチタス2,000株328万円分を申し込むことにしました。

私にとっては初めてのIPO株。
2017年最大のイベント(佐川)に参加してみたい気持ちもありましたが、稼げないんじゃ意味ないですから。。

1週間後、営業さんから「無事、2,000株の割り当てがとれた」と連絡がありました。

 

事前のプラン

一応、目論見書(『もくろみしょ』と読みます。IPO時の発行株数や株主構成、直近の業績などが書かれています)とウェブの下馬評には目を通し、以下のポイントは申し込み前に把握しています。

  • 一般的に、不動産業は事業内容がシンプルで業績を予想しやすい。ゆえにサプライズは少ない。株価の大化けもない
    —> IPO株では不人気なジャンル。初値の大幅上昇はない
  • 一方、カチタスはここ数年順調に業績を拡大している
    —> 場合によっては中長期の保有を検討しても良い
  • 佐川を始め、同時期にIPOが立て込んでおり下馬評は低い。公募価格割れを予想するサイトも

 

これらのポイントを踏まえた上で、当日アタフタしないようにあらかじめ作戦を立てます

 

公開日当日のプラン

  1. 初値が1,700円以上の場合、全株初値で成り売り
    —> 利回り3.7%以上、利益120,000円以上 (ただし税金・手数料を含む)
  2. 初値が1,640円(公募価格)以上、1,700円未満の場合、様子見。当日の値動きを見て半分は適当なところで売却
    —> 持ち分を軽くする & 手数料分を先に確保
  3. 初値が1,480円(公募価格−10%)以上、1,640円(公募価格)未満の場合、半分を成り売り
    —> 半分損切り。さらに下がるようなら全て損切り
  4. 初値が1,480円(公募価格−10%)未満の場合、全株初値で成り売り
    —> まずないと思うけど。。。あんまり考えたくない

 

ちなみに、私の普段の株取引はかなりスローペースです。
一つの銘柄をいきなり何百万円分も買ったりはしません。

最初は数万円。
数日様子を見て、問題なさそうなら今度は十数万円。
時間をかけてコツコツ集めて、良い銘柄なら結果的に数百万円、という具合です。

売るときも同様、他にもっと良い投資先が見つかるまで売りません。
数年持ち続けることも多いです。

*ただし、損切りは別です。あらかじめ決めたラインを下回ったら機械的に、速やかに売ってしまいます。

要は基本的に買ったら買いっぱなしの死んだふり投資法ということですね。
デイトレやスイングトレードのような短期売買も何度か試してみましたが、どうも性に合いませんでした。

参考記事:【銘柄公開】初心者の株式投資体験談、2年半で利益が200万円を超えていました!

 

一方、今回のIPO株は初値で売却するのがセオリーです。
デイトレに近いですね。死んだふりは通用しません。

しかも、公募価格1,640円で2,000株。
最初からいきなり計3,280,000円の(私にとっては)大きな投資になります。

 

アキオ曰く、
アキオ

これまで例のない規模とスピード感でドキドキする!

 

公開当日

前評判の低さからある程度覚悟はしていましたが、寄り前の板(取引開始前の注文状況のこと)はひどいもんでした。

 


410円って、、
カチロス”とか言われてるしw

でもその後、寄前気配は順調に上がっていき、、

 

なんとか無事、公募価格1,640円をちょっとだけ(1.5%)上回る初値1,665円がつきました。

私は事前に決めていたプランに従い初値売却は見送り

 

その後順調に上がっていったので、その日の内に3度に分けて利確。

カチタス、上場初日の値動き
カチタス上場初日の値動き(5分足)

結果、平均売却価格1,780円全2,000株を売却。
取得価格1,640円に対して、利回り8.5%280,000円の利益となりました

その後、大和証券の手数料36,561円税金49,453円、合わせて86,014円が引かれ、純利益は冒頭の193,986円と相成ります。

 

アキオが思うに、
アキオ

大手証券会社の手数料、高っか!!

 

淡々と書いていますが、実際の取引中は結構心拍数上がる局面が何度かありました!
特に最初の30分くらい、公募価格を一瞬割ったあたりはドキドキでしたよ!!

ちなみに、営業さんは市場で取引が始まる前後(08:45ー10:00くらい)、電話で取引に付き合ってくれました。

特に有効なアドバイスとかはなかった気がしますが、株取引に慣れていなくて心細い方なんかにはありがたいサービスなのかもしれません。。

 

後日談

ちなみに、上場2日目こそ若干下げたものの、その後もカチタスの株価は順調に上がっていきました。
2週間後には最高値2,880円をマークしています。

これまでの業績が評価されたのでしょう。

 

カチタス値動き(日足)
上場から2018年1月5日までの値動き(日足)

 

タラレバは禁物ですが、上手くやればこのひと月の間に200万円以上稼げてたんですよね。。

まあ、今回は当初のプランを滞りなくこなせた点を評価しようと思います。

 

ついでに、その後の大和証券との付き合いにも触れておきますね。

営業さんはカチタス売却後も継続して連絡をくれます。
年末年始の挨拶にカレンダーもってきてくれたりとか、新しい投資案件を持ってきてくれたりとか。

例えば、国内株よりさらに手数料の高い外国株なんか勧められますね。
同じく、手数料を稼ぐためだと思いますが、基本的に短期間の売買を勧められます。

(もちろん、私にしては一度に動かす金額が大きいので、なるべく細かく利確して損がないようにリードしてくれてるという面もあると思います)

こちらはといえば、利益が出そうなものは積極的に買って、微力ながら彼の売り上げに協力するようにしています。
その代わり良いIPO株があったらまた持ってきてね」と一言添えて。

これで次もまたIPO株を配分してもらえるかは今のところ不明です。

ただ、IPO株の配分がないならわざわざ手数料の高い非オンライン証券会社で取引する必要がないこと、先方も重々承知しているはずなので要所要所で適当な配分回してくれるんじゃないかなぁ。

もしもらえるようなら、続報として『大手証券マンとの付き合い方』的な記事を書こうと思います!

(2018年12月27日 追記)

手数料高いわ営業の電話がウザいわで、結局口座解約してしまいました。
2018年12月のことです。
ちょうど1年ほどの付き合いでした。

その間に割り当てられたIPOは超大型で結果公募割れしたソフトバンクのみ。

参考記事:ソフトバンクIPOに参戦! 結果は1,300株初値売却でマイナス6万円の惨敗!!

残念ながら、わたしには非ネット系大手証券会社のメリットを活かしきることができませんでした。

億単位で入金できる大口の投資家さんか、交渉スキルに自信のある凄腕ネゴシエイターさんなら、割高な手数料を上回るメリットがあるかもしれません。

参考記事:『大手証券会社との付き合い方』ネット証券との違いはIPOの配分と手数料!

 



まとめ IPO株投資は本当にローリスク?

というわけで、管理人アキオのIPO初体験でした。
楽しんでいただけましたでしょうか?

 

当初、私はIPO株投資に『ローリスク・ハイリターン』『知識不要のお手軽投資』というイメージを持っていました。

実際に自分で体験してみて、それは間違いではないが真実でもないことがわかりました。

過熱気味な今の市況が続く限り、IPOがローリスクなのは間違い無いでしょう。

一方で、ハイリターンかというとそうでも無い。
ある程度のまとまった利益を出そうと思ったら、資金力かクジ運かどちらかが必要なようです。

また、初値で成り売りであれば確かに決算書の読み込みやチャートの知識は不要です。
ただし、私があらかじめプランと立てて臨んだように、リスクを避けたい」もしくは「利益を最大化したい」と思ったら知識や経験が物を言います

次回はIPO株投資編最終回。
2017年に行われたIPO全94件の傾向を分析、儲かる銘柄の特徴を考えます!

 

ではでは。
次回もお楽しみに。

 

2018-01-08日本株・IPO経験を語る記事

Posted by アキオ