【投資・資産運用】市場に潜む6つのリスク!

2018-05-31

リスクと付き合う

こんにちは! アキオ(@hiroakio97)です。

前回の記事『投資・資産運用のリスクって? 将来の不確実性とリスクプレミアム』では 投資のリスクについて、「お金に関しては将来の不確実性のことを『リスク』って言うんですよー」という話をしました。
今回はその続き。
「リスクって具体的にはどんなもの?」「どんな要因で株価は上がったり下がったりするの?」ってあたりをお話しします!

 

市場に潜む6つのリスク

先日の記事でも引用させてもらったみずほ証券のwebページによると、金融商品の価格は主に以下の5つのリスクにより上下するそうです。

 

金融商品のリスクは一般にその収益(リターン)の振れ幅を意味しますが、
その収益(リターン)を左右するさまざまなリスクがあることも覚えておきましょう。


出典元 : みずほ証券

 

みずほ証券があげるのは、価格変動リスク金利変動リスク信用リスク為替変動リスクカントリーリスクの5つのリスク。
一般的にはここに流動性リスクを加えた6つのリスクが主な投資・資産運用のリスクとして知られています。

この6つのリスクはそれぞれバラバラに独立して存在しているわけではなく、密接に絡み合っています。
以降、6つのリスクについて個別に解説しますね。

 

最も注意が必要な『価格変動リスク』

価格変動リスクとは読んで字の如し、株や債券をはじめとする金融商品の値段が時間とともに変化していくリスクのことです。

みずほ証券によると”金融商品の値動きによるリスクです。金融商品の価格は景気動向、企業業績、為替相場などさまざまな要因により日々変動しています。”とあります。

 

じゃあ「なぜ業績とか為替で価格が変動するの?」というと、、

物の値段は需要と供給の関係で決まります。
昔、中学の社会科の時間に習いましたね。

それは株や債券、不動産のような金融商品でも同じです。
欲しい人が多ければ値段は上がり、反対に手放したい人が多ければ値段は下がる。

今年 業績が良かった会社は来年・再来年へ期待が膨らみ、その会社の株を欲しがる人が増えます。
欲しがる人が増えれば価格は上がる。
逆に、期待したほどの業績があげられなければ失望から株価は下がる。。

ちなみに、業績や事業内容 以外にも、「著名な投資家が買っている」みたいな噂や「なんとなくチャートの形がこれから上がりそうにみえる」といった企業の本質的な価値と無関係な事柄でも株価は大きく動きます。
株は人気投票』と言われる所以ですね。

その時々になぜ値段が上がるのか(もしくは下がるのか)、正しい答えは誰にもわかりません。
が、結局 長期的には『神の見えざる手』によって妥当らしい価格へ導かれてゆきます。
その過程の見えざる手の迷い行き過ぎ勘違いが価格変動リスクの要因かなと。

 

いずれにせよ 先日の記事でもお話しした通り、投資や資産運用で言うところの『リスク』とは要は値幅のことで、期待値と実際の価格がどれだけ離れる可能性があるかということです。
そういう意味で、結局 全てのリスクはこの『価格変動リスク』に行き着くわけです。
最も注意が必要なリスクと言えますね。

株に限らず、債券や投資信託、先物、不動産などなど、値のつく全ての商品には当然のように価格変動リスクがあります。

 

債券と為替に影響が大きい『金利変動リスク』

金利の変動により商品の価格が変動するリスクを金利変動リスクといいます。

この金利変動リスクによる影響が最も大きいのは債券です。
債券のクーポン(利率)が銀行預金の金利と同じなら誰も債券なんて買いませんから。

市場の金利が上がると、発行済み債券は利回りをあげる為に価格が下がります。
新たに発行される債券は市場金利を織り込んで、以前のものよりもより高い利率が設定されるでしょう。
逆に金利が下がれば 相対的に投資妙味が増す債券は値上がりし、利回り・利率は低下します。

 

基本的には株も同様で、金利が上がると株価は下がります。
銀行預金や債券の利回りが十分に高ければ、あえて価格変動リスクの高い株に投資する必然性が下がるからです。
ただし、その関係は債券ほどシンプルではありません。

銀行を中心とした金融セクターなど 一部の金利上昇が業績アップにつながる業種の株価は上昇します。
逆に銀行からの借り入れの多い業種 例えば不動産業などは銀行への返済が増える為、特に株価を落とすでしょう。

 

また、金利の変動は為替にも大きな影響があります。
金利の高い通貨は投資家の人気を呼び、価値が高まります。

2018年5月現在、日本は歴史的な低金利(マイナス金利)の一方、好況のアメリカは段階的に金利を引き上げています。
結果、為替は円安ドル高へとシフトしてますね。

 

格付けでわかる『信用リスク』

債券や株式の発行体が投資家との約束を守れないリスクを信用リスクといいます。
ここでいう『約束』とは元金の返済や金利・配当金の支払いを正しく行えるかをさします。
というわけで、信用リスク(クレジットリスク)は別名 債務不履行リスク(デフォルトリスク)とも呼ばれます。

国債を例に挙げるなら、アメリカやドイツといった欧米の先進国が財政破綻し国債が紙クズになるとは考えにくいですよね?
一方でアフリカや南米の途上国ならどうでしょう? 「そんなこともあり得るかな。。」と思いませんか?
2010年のギリシャ経済危機や2014年のアルゼンチンの計画的債務不履行のような例もあります。

つまり、国によって国債の信用にバラツキがあるということですね。

社債や株式でも同じことで、2019年に上場70周年を迎える日本を代表する大企業であるトヨタの株式と新興市場に上場を果たしたばかりの小型銘柄では信用リスクが全く異なります。

ここでリスクの大原則ですが、一般的にリスクが高い商品ほど利回りが大きい(ハイリスク・ハイリターン)です。
前の記事でお話ししたリスクプレミアムですね。
仮にアメリカ国債とギリシャ国債の利率が同じなら、誰もギリシャには投資しないでしょう。
つまり信用の低いギリシャはアメリカ以上の利率で債券を発行しなくてはいけないということです。

じゃあ「信用の高い低いはどうすれば判るのか?」という話ですが、、
格付け機関のレーティングを参考にすると良いでしょう。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングス、ムーディーズの3社は三大信用格付会社と呼ばれ、世界的な信頼を集めています。
ちなみに、2018年5月現在のS&Pの信用格付けではアメリカ国債はAA+、ギリシャ国債はB-、トヨタ株はAA-となっています。

企業の場合は決算書をみるのも良い方法でしょう。
自己資本比率や営業キャッシュフローを見れば、その会社のおおよその財務健全度合いがわかります。

 

外貨建て商品だけにとどまらない『為替変動リスク』

外国株や外国債のような外貨建ての商品の場合、為替の変動が商品価格や利回りに影響を与えることを為替変動リスクといいます。

例えば、2018年5月現在のアマゾンの株価は1株1,600ドル。為替は1ドル110円です。
10株買ったとすると、評価額は日本円で1,760,000円です。(= 1,600ドル × 10株 × 110円/ドル)
1年後、アマゾン株は1,700円に、為替は1ドル100円になったとします。
すると、、持ち株の評価額は1,700,000円。なんと6万円のマイナスです!
株価は上がっているのに哀しいですね。。

もちろん、「株価は下がったけど為替に救われる」って逆のパターンもあり得ますけどね。
利益を最大化するには円高の時に買って、円安で売る必要があります。
商品自体の価格も上下しますから、最良のタイミングを狙うのはかなり難しいです。
日本で外国株が敬遠される理由の一つはここですね。
(もちろん、言葉や手数料、税金など色々要因はあると思いますが)

 

また、為替の変動は国内企業の業績にも影響を与えます

例えば、商材や原料を輸入に頼る小売業や製造業、石油・電力などエネルギー関連会社などにとっては円高は追い風です。
具体例をあげるならファーストリテーリング(ユニクロ)やニトリ、関西電力が代表格ですね。
あとは燃料が安くなるので航空会社や運送業などにとっても円高はプラスに働きます。

一方、海外での売上げが多い輸出企業にとっては円高は逆風。
影響を受けるのは、トヨタなどの自動車メーカー、コマツのような建機メーカー、キヤノンなど精密機器メーカーなどなど、ですね。

ご存知の通り、資源に乏しい日本に貿易は欠かせません。
時に為替は日本の企業の業績を大きく左右する要因になることを覚えておきましょう。
特に日経平均を構成するような日本を代表する大企業の多くは輸出で稼いでいます。
アベノミクスとマイナス金利政策による円安で、日経平均が好調なのはこの為です。

 

ちなみに、この為替変動リスク自体を投機の対象としているのがFXと外貨預金です。
私もFXでボチボチ利益を上げています!
気になる方は本ブログのFXカテゴリをのぞいてみてくださーい😃

 

予測困難な『カントリーリスク』

投資している国・地域特有のリスク、例えば戦争・内乱など政治的な混乱や急激なインフレ・財政破綻、地震やハリケーンといった自然災害などをカントリーリスクと言います。

最近は特に政治的・軍事的な緊張のみにフォーカスして地政学上のリスクといったりもしますね。
経済がグローバル化したことにより、特定のいち地域の紛争が全世界に影響を与えることもあるので要注意です。
特に中東アラブ諸国の危機は原油価格、ひいては世界経済に大きな打撃を与えてきました。

 

先ほどの信用リスク同様、一般的には先進国よりも信用格付けの低い途上国に大きいリスクですが 先進国やその周辺にも火種はくすぶっています。

日本の場合は ずいぶん昔から首都直下型地震が予測されていますし、なんといってもすぐ近くに北朝鮮があります。
欧米の保護主義・移民排斥の流れも今後大きな経済問題に発展するかもしれません。

カントリーリスクはいつも突然 表面化します。あらかじめ予測することは困難です。
そして一度 露わになったリスクは市場でとてつもない猛威を振るうことがあるので要注意。
個別企業の好業績やこれまでの流れなどお構いなしに、ある日突然ガラッとマーケットの景色を変えてしまいます。

 

売りたい時にすぐ売れない『流動性リスク』

流動性リスクとは市場での取り引き量が極端に少なく、売りたい時にすぐ売れない もしくは不当に安い価格でしか売れないリスクのことです。
逆に、買いたいけど買えない または相当なプレミアを上乗せした価格でしか買えない といった状況もあり得ます。

 

価格変動リスクの項でも述べたとおり、物の値段は需要と供給のバランスで決まります。
需給のバランスが崩れ売買が正常に行えないことを流動性が失われた状態といいます。

流動性が低い投資対象の代表格は不動産です。
例えば 親から相続した実家を売却しようとした時、一般的には売れるまでに3ヶ月から半年くらいの時間は見ておいたほうがいいといわれています。
銀座や表参道のような一等地ならまだしも、なんの変哲もない普通の住宅街の一角に都合よく買い手が現れるわけありませんから、無理ない価格でもそれくらいの時間はかかるのでしょう。
購入希望者が現れても ローンの審査や行政的な手続きなどなど、株や投資信託を現金にかえるように手軽にはいきません。
現金化を急げば、足元を見られて買い叩かれるのがオチです。

 

株も同様で、トヨタやソニーのような売買盛んな超大型株であれば通常 流動性のリスクはほぼありません。
一方でJASDAQや東証マザーズのような新興市場のマイナー銘柄は、人気薄で市場参加者が多くありません。
場合によっては不動産のような流動性リスクを抱えることがあります。

また、大型銘柄でも2015年の東芝 粉飾決算のような不祥事による上場廃止懸念などがあると売り注文の殺到で需給のバランスが一気に崩れ、「安値でも売れない」ということがあります。
不祥事のケースは信用リスクとの合わせ技ですね。目を疑うような下落になります。

 

債券や定期預金、積立型の保険なども流動性リスクが高いと言えるでしょう。

これらの商品は満期まで保有し続ければ元金と利息が保証されていますが、それまでの間は資金を拘束されます。
期日前に現金化しようとするとペナルティがあり元本割れしてしまいます。

 

 



まとめ

いかがでしたでしょうか?
マーケットに潜む6つのリスクについて理解していただけたでしょうか?

次回は実際の金融商品ごとにどんなリスクがあるかお話し指定ことをもいます!

 

投資のリスクに関する記事、他にも書いてます。
よければ読んでみてくださーい。

 

ではでは。